里山のカエル喰い [鳥達]
「カエル喰い」の鳥は、ちょうど田んぼに水が張られる頃に
南の国からやってきて、うちの近所で子育てをしてくれます。
冬の間はマレーシアとかに行っているそうです。
冬の日本では大好きなカエルが食べられないからですね。
最初に見たのが07年ですから、
かれらの様子を見るのもこのたびで6回目ですなー。
鳥の写真を撮るのは楽しいなと思った頃に、散歩道の外れに
ふわりと舞い降りてくれました。
お師匠様たちから、
「定着するまでは騒がしくしてはだめ。巣を放棄することもある」と脅され指導され、以来、道を通り過ぎるだけで、立ち止まらず撮る
ようにして不自然にせず、場所もその鳥の名前もブログに書かない
習慣になりました。散歩の人も多く通る道端の防風林で子育てして
いるようですからそれほどでもないのかもしれませんが、注意して
います。
今年もそろそろ来てくれると思っていました。
遠くからでも、見慣れた屋敷林だからすぐわかりました。
(通り過ぎるだけにしましたが、この日は普通に近くを飛びました。)
これまでも、特に07年は鳥神さまのご加護著しく、
交尾やら子育てやらをじっくり見せてもらえて。
出張にも恵まれて、宮崎で「秋の鷹の渡り」も見て、
すっかりこの鳥が何より好きな鳥になってしまいました。
08年も来て、子育てしてくれていました。
09年にも来てくれて、写真を撮らせてくれました。
餌を獲る様子や、声も録らせてもらいました。
ほんの数メートル先に降り立ったこともありました。
2010年は、来たけど、子供を見ることがありませんでした。
カラスに追われる様子を見たのが最後だったから、
子供は育たなかったかな。いっしょに悲しかった。
去年は、巣をかける場所を変えて、うまく行ったようです。
今年はどうだろう。
(写真は全部今年の写真です。)
人の暮らしのすぐ側で暮らしていますねー。
この鳥は、日本の鷹では最も多い普通の鷹だそうで、
栃木県には特にたくさん来てくれるようです。
でも、絶滅を危惧されるレッドリストに載せられているとか。
絶滅危惧II類(Vulnerable, VU) は「絶滅の危険が増大
している種」です。
この鳥は数はまだいるのかもしれませんが、成育環境が
失われて行っているということのようです。
我が家の近所のような、カラスから隠れて子育てできる森が
あって、そのすぐ側に田んぼや麦畑が広がり、ところにより
その他のブッシュや果樹の林もあるようなところは、確かに
珍しくなっていて、その上、うちの近所ですら少しずつ減って
います。
昭和21年の農家人口(農業に従事している世帯の家族)は
34137272人で国民の47%でした。営農こそが生活である
暮らしが普通であったのかと思います。今日その数字は激変
して8370489人で6.6%です(平成17年データ)。統計の
取り方で単純比較はできないようですが、相当な変化です。
更に未だ日本の農業就業者人口は260万人(2010年)
とのことですが、その平均年齢は65.8歳だそうで、だから
終わった産業とは言わないものの他の産業のイメージでは
語れない様子です。日本の抱える問題はTPP問題等では
なくて、自国の問題に思えます(「何やってたんだ」じゃなく
「では、どうしよう」と考えないとね)。
日本の農業が消えて行ったり、逆に再生し効率化が進むと、
カエル喰いの居場所はなくなりそうです。
(少しだけ大きくなる写真です。長さで1.5倍くらい。)
よくわかっているわけではないのに、
小さな自分の趣味から話を膨らませ過ぎかな。
本当はそうでもないと思うけどもな。
いろんなことは細部から見える。ひと連なりなのだよな。
袋田の住職さまのところにも来ていて、写真を載せておられたからと、
負けないように載せたわけではないですが。でも、住職さまの活動や
郷土の自然を愛する姿勢を刺激と励みとさせて頂いていますけどね。
by 春分 (2012-05-03 09:11)
かえるのお腹、真っ白だ^^
by ゴーパ1号 (2012-05-03 11:54)
そこか?ツッコミどころは。
by 春分 (2012-05-03 12:26)
カエル喰う鳥から農業を考える春分さんの姿勢は袋田の住職様に通じるものがあると思います。それと批判は簡単だけどどうすればよいかを自分で考えるのは大変なことと思いました。
by れもん (2012-05-03 16:12)
5月1日には、筑西で電線にとまっているカエル食いの猛禽類を発見して安堵しました。片側二車線、交通量の多い国道沿いです。
関東でも北部三間地域では、農業従事者の高齢化が進み、耕作放棄が加速しています。里山と山間地域の田んぼなどを守って行くことがその地域だけでは、難しいことになってきています。
今、都市部にすむ人(特に定年退職で時間のある人)に、ご理解とご協力を頂かいないと、近い将来破綻してしまうのは目に見えています。
逆に言うと、より幅広い方から(企業も含む)の協力が得らられれば、カエル食いが営巣できる環境を守れるだけでなく、トキが普通に見られる日本にすることも可能だと思っています。
野鳥が暮らせるということは、自然が豊かで、人間にもすみやすい環境だと思います。
by 袋田の住職 (2012-05-03 17:28)
栃木を通過し、雨の福島に来ています。
内陸部は震災の被害が少なかったのですが、
あちこちに建つ仮設住宅を見ると、改めて
胸が一杯になります。
福島のお米は美味しかったです。
by chichiの母 (2012-05-03 21:03)
素晴らしい瞬間を捉えましたね。わが家も窓を開けるとカエルの鳴く声が賑やかです。
by Silvermac (2012-05-03 21:04)
カエルをしっかりと掴んで我が子のところへ、、と向っている。
その様子を上手く捉えられて撮っている。見事ですね~春分さん(^。^)
日本人も将来は↓になるのでは? 何処へ向いていく?政治ヤ達 !
by puripuri (2012-05-03 22:22)
この「カエル喰い」の鳥を春分さんがどんなにか
大切に見守っているのかよく伝わってきます。
>日本の農業が消えて行ったり、逆に再生し効率化が進むと、
カエル喰いの居場所はなくなる・・・
難しい問題ですね。
by タックン (2012-05-03 22:28)
ここに限ったことではありませんが、森と田んぼと麦畑と林を買い取って、残しておきたい。
個人では無理でも、ナショナル・トラストのような活動ができれば、可能かと思います。
自分の人生の計画表に、そういった活動への協力を書き入れたいと思いました。
by はてみ (2012-05-03 23:23)
再生し効率化が進むのは致し方ないような部分もありますが、田んぼの乾田化とかは作用効率からいって仕方ない部分もあるかとは思うし
また稲作が前倒しになって生き物のサイクルと違ってしまいそれだけで大きな影響があるようですし、その中でも水を抜く時期を遅らせたり冬期湛水水田を行なったりとかの方法もあるようですが
私たちがどうゆう農作物を買うかにかかってる部分も大きいかもしれませんが、ま時々地元の産直の野菜を買うぐらいですが
by スミッチ (2012-05-04 21:59)
素敵なショットばかり♪
by せつこ (2012-05-05 09:01)
大きな屋敷林に、蛙がいそうな田んぼ、カッコいい鳥ですね~~
農業従事者が高齢化して離農、外国の人に土地が売られているそうですが、
これからの日本は、一体どうなるのか不安ですね。
by ミヤ (2012-05-05 22:08)
ゴーパ1号さん、
> かえるのお腹、真っ白だ^^
やつも何のために生まれて来たものかと思う間もないだろうなあ。
白腹と白繋がりで「朝には紅顔ありて、夕には白骨となれる身なり」
と言う浄土真宗の「白骨の御文章」というのをちょっと思い出したな。
れもんさん、
> カエル喰う鳥から農業を考える春分さんの姿勢は袋田の住職様に通じるものがあると思います。
> それと批判は簡単だけどどうすればよいかを自分で考えるのは大変なことと思いました。
言うだけですが、そこから何か始められないかなと。
政治家が悪いと言うだけでは何もならないだけではなく、責任逃れの欺瞞ですからね。
袋田の住職さま、
> 5月1日には、筑西で電線にとまっているカエル食いの猛禽類を発見して安堵しました。
こちらでも定着しているようですが、つがいで見ていないので少しまだ心配です。
> 関東でも北部山間地域では、農業従事者の高齢化が進み、耕作放棄が加速しています。
> 里山と山間地域の田んぼなどを守って行くことがその地域だけでは、難しいことになって
> きています。
(中略)
> 逆に言うと、より幅広い方から(企業も含む)の協力が得らられれば、カエル食いが営巣
> できる環境を守れるだけでなく、トキが普通に見られる日本にすることも可能だと~
けして長くない文に良く考えておられるいろいろ具体的な経験からご意見が出ていると思います。
私も統計を確認しながら書いてみてわかりましたが、怪我の功名か高齢でもできる農業が日本に
根付いているわけです。リタイアした人材を農業に向けたらいいのかもしれません。
もちろん机上の空論かもしれません。たたき上げの65歳と会社員上がりの65歳では違うとは
思いますから。それでも、こんなところに答えはあるのかもしれないと思いますね。
chichiの母さん、
> 栃木を通過し、雨の福島に来ています。
> 内陸部は震災の被害が少なかったのですが、
> あちこちに建つ仮設住宅を見ると、改めて
> 胸が一杯になります。
私もちらっと見ただけですが、見た瞬間、何もわかっちゃいなかったと思います。
いつだって何もわかっちゃいないのかもしれないけども。
Silvermacさん、
> 素晴らしい瞬間を捉えましたね。わが家も窓を開けるとカエルの鳴く声が賑やかです。
こちらの田んぼのカエルはトウキョウダルマガエルです。そちらではトノサマガエルですね。
いずれにしろ田にカエルの鳴く風景はできるだけ長く残って欲しいです。
puripuriさん、
> カエルをしっかりと掴んで我が子のところへ、、と向っている。
この時期だとこの鳥はまだ子供はできてないと思います。まずは腹いっぱいにして子作りですね。
タックンさん、
> >日本の農業が消えて行ったり、逆に再生し効率化が進むと、
> カエル喰いの居場所はなくなる・・・
> 難しい問題ですね。
案外忘れ勝ちなんですよね。農家を守ることと田んぼを守ることはズレるし。
インディアン保留地のような日本列島にしないためには、田んぼのない日本も必要かも。
コスタリカやガラパゴス諸島みたいに生きるのがいいのか。そのために中国か米国に併合され
ることも現実的な選択肢か。100年後にはまったく想像しない日本列島であるかもしれません。
はてみさん、
> ここに限ったことではありませんが、森と田んぼと麦畑と林を買い取って、残しておきたい。
> 個人では無理でも、ナショナル・トラストのような活動ができれば、可能かと思います。
そんなわけで、宇都宮ではグリーントラストが例えば鶴田沼の周辺の土地を買って保全しようと
しています。ここでごちゃごちゃ言ってるよりそっちに力を注ぐといいのかもとも思うけど。
スミッチさん、
> ~田んぼの乾田化とかは作用効率からいって仕方ない部分もあるかとは思うし
> また稲作が前倒しになって生き物のサイクルと違ってしまいそれだけで大きな影響が~
詳しいですね。
冬水田んぼのことは蕪栗沼のガンの保護のところでも話はありました。いろいろ考える農家も
増えているのだと思っています。
自分たちの子供の頃であっても学校の成績が良ければ儲かる職業についてと故郷を離れるべきと
思われていたと思います。意識を変えていけるかどうか。
> ~ま時々地元の産直の野菜を買うぐらいですが
そういう意見こそが地に足のついた意見に思いますね。
実践が難しい。でも難しいとか言わずに行動だな。
せつこさん、
> 素敵なショットばかり♪
ご無沙汰しておりました。ありがとうございます。
ミヤさん、
> 農業従事者が高齢化して離農、外国の人に土地が売られているそうですが、
> これからの日本は、一体どうなるのか不安ですね。
株式会社化とかいくらでもやりようはあると思います。
農政をゆがめたのは農家であり自業自得と会社員の私は思います。
でも、効率化するとやはり望まぬ未来だし。
いずれにしろ未来は今と地続きですし、今日を良く考えて行動しないとなりません。
by 春分 (2012-05-06 17:32)
カエルの暮らせる環境が大切だな。
やっぱり地元でなくちゃ。
by Na-ki (2012-05-07 12:00)
すごい!見事にカエルを捕えている。待っていて撮れるもんじゃないですね。やっぱり、もう観察が日常になっているんですね。
この季節に春分様を伺うと、やっぱりカエルに会うことになりますな。
by mamire (2012-05-09 23:58)