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「蜘蛛」のあらすじ [雑本]

「蜘蛛」という話ですが、やはり途中まででは気になるかと思います。
読みたい方にだけ、おおよそのあらすじを示しておこうと思いました。
まあ、ジャンルとしてはホラーですが。

以下に書きます。ネタばれですが、本を買って読もうと言う方でなければ、
こうして知るのもいいかと思います。

ただ、私も子供の頃に読んだ話でして、ネットも最後まであらすじを書いた
ものもなく(ネタばらしは本来違反でしょうから)、記憶に頼って書きます。
そもそもは本を買って(あるいは借りて)読んでもらうのがいいと思います。

一応、下記の本は僅かに流通しているようです。

蜘蛛・ミイラの花嫁―他 エーヴェルス短篇集 (1973年)

蜘蛛・ミイラの花嫁―他 エーヴェルス短篇集 (1973年)

  • 作者: エーヴェルス
  • 出版社/メーカー: 創土社
  • 発売日: 1973
  • メディア: -

怪奇小説傑作集5<ドイツ・ロシア編>【新版】 (創元推理文庫)

怪奇小説傑作集5<ドイツ・ロシア編>【新版】 (創元推理文庫)

  • 作者: H・H・エーヴェルス他
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2006/08/30
  • メディア: 文庫

先に書いたイントロは以下の通り。

ある宿の泊まり客が3人次々と首吊り自殺を遂げた。
理由を探るべく問題の部屋で暮らし始めた医学生は、
通りの向かいの部屋に美しい女性が住むことに気づく。
言葉を交わすこともなく、窓越しに見つめるうちに、
また気がつく。彼女は自分のすることを真似ている。
机に手を置けば手を置き、見つめれば、見つめ返す。
自分の気を惹こうというのか・・・。

男は、その不思議な「恋愛」を楽しんでいた。
彼女が自分と同じしぐさをするのは間違いないことなので、となれば、
部屋を出て向かいの家のその部屋を訪ねてはどうかとも思われた。
きっとすてきな声であるに違いないし、話してみたいことは限りなくある。
しかし、この窓越しのやり取りがすてきなことに思えたので、男は部屋に
こもり、一日中でもそんなことを続けた。
そもそも調べようとしていた自殺者達のことを書きとめることも滞り勝ち
になり、参考にするべく手元に置いた遺留品を調べることも止めた。
ただ向かいの窓で彼女が自分をまねるのがうれしくて視線を送ったり、
髪に手をやったり、書き物をしたり、時におどけたしぐさをして見せた。
すると彼女はすぐ彼の通り、見つめたり、髪に触れたり、字を書いたり、
不思議に美しいしぐさで、おどけた表情を見せた。

だが、そうするうちに男は奇妙な変化に気がついた。
彼女の細い指先が机に触れたのは、自分が机に触るより前に思えた。
自分がクローゼットに向かって歩いたのは、彼女が彼女のいる部屋の
クローゼットに向かって歩いたその後であることに気がついた。
彼女は自分の真似をしているのではなく、自分が彼女の通り行動して
いるのだった。

彼女が部屋の隅でロープを持ち出したとき、自分もまた、遺留品の中
からロープを持ち出さざるを得ないことを、男は悟っていた。
彼女の細い手でロープが柱にかけられたとき、それをそっくり真似て、
男はロープを柱にかけた・・・。


首を吊った医学生を調べに来た刑事は、彼の書き残したメモの中に、
窓の向こうの女性とのやりとりについて書かれたくだりを見つけた。
刑事がそれと思われる部屋に行ってみると、そこは長く空き部屋で、
埃が積もり家具一つなかった。
ただ、男が見続けたあの窓の側に大きな女郎蜘蛛が巣を張っていた。

刑事は蜘蛛を巣から叩き落し、踏み潰した。



 

たしか、こんな話でした。


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