科学ネタ:母親の脳に入り込む子の細胞 [科学]
科学ネタ・仕事ネタは、書くのが面倒な割りに、ウケが悪いかもしれませんが、
ときどき書かなければ、私のレゾンデートル(存在価値)が問われるとの思いから、
書きます。科学の話題!
今月の日経サイエンスは年末スペシャルかと思うほど
私にとってセンセーショナルなネタが並びました。編集者はがんばってますね。
先月の予告で「重力は幻?ホログラフィック宇宙論」とあって、かなければと思っていました。
三次元空間は幻かもしれないという話です。この話は書きます。
でも、その前に、
「胎児の細胞が母親の脳へ」??? なに?それ?
これがそのまんまの話なんです。
妊娠してできた子供の細胞の一部が血液を介し母親の脳に定着するそうです。
えー!って思いませんでしょうか?
でもこれは前からわかっていたことだそうで、
子供の細胞は27年もの間、母親の脳で生きるそうです。
知らなかったなあ。
そして、このたびの発見とは、
すべての細胞が特定の光を当てると緑色に光る物質をつくるように遺伝子操作
したマウスをメスのマウスと交配させ、胎児もすべての細胞が緑色に光るように
した後、母親マウスの細胞を観察することで、母親の脳の中にかなりの量の
胎児の細胞を発見したということのようです。シンガポールの研究者の仕事だ
そうです。
人でもこのようなことが起きている可能性があり、どうもこれは胎児が生命線
である母親の命を守るため、欠陥を修復するシステムだろうという話なんですが。
生命って不思議です。
ご承知の方は疑問に思われるでしょうけれど、脳には脳血管関門があって、
細胞どころか、よっぽど限られた物質しか通過できないのですが、これを
すりぬけるマーカーがあるんだろうという話です。
(マーカーって難しいですね、細胞表面に通行手形みたいな印があるわけです。)
そうすると、例えば脳に障害を受けた人を点滴などで修復できるかもしれない
と夢が広がるわけです。
ただ、ここで、とんでもない動物虐待実験の報告と思われる方もいらっしゃるかも
しれません。私などは、生物学を一応ベースとしておりますので、抵抗は少ない
のですが、ある意味、正常な倫理感が麻痺しているのではないかとも思います。
でも、私の会社の元先輩は、首の骨を折って首から下が不自由です。
神経生物学の急速な(10年以内くらいの)発展を望みます。
いや、でも、こう話をきれいにまとめては不正直でしょうね。
本当の理由はそうじゃないな。
人はそのように、何かを犠牲にすることに馴れることができるってだけですね。
あるいは、何かのために何かを犠牲にする覚悟ができるってことですかね。
お久しぶりです。
お忙しかったのですね。わたしも~(-_-)zzz
>妊娠してできた子供の細胞の一部が血液を介し母親の脳に定着するそうです。
えー!って思いませんでしょうか? 思っちゃいますよ~☆
実証されてもされなくても、こういう話はロマンです。
子供から才能をもらえるっていうことでもあるのですよね。
最近、娘のエレクトーンをもらって練習し始めました。
娘ほどではないにしても、「いけるんじゃん~♪」
と思っていたの。
これって、「逆流現象の成果だわ~っ」て、納得しちゃいました。
科学ネタは、とってもワクワクします。
by mamire (2005-12-28 22:49)
こういう科学の話は大好きです。とても興味深いですねぇ。
これからも科学ネタお願いします。
by (2005-12-29 01:08)
生物って不思議で神秘的ですね。
by 92san (2005-12-29 01:52)
科学に弱い文系の自分ではありますが、
生命などの神秘などには、興味があります。
これからも、こういった話題も取り上げてく
下さい。
by yoku (2005-12-29 06:52)
私は、衝撃を受けました。 胎児が生命線である母親の命を守るため
に・・・また、27年の間 子供の脳で生きていたとは・・・
考えてみれば、生物は無駄のないすばらしいコンピュウターで、
出来ているとも言えますね、底知れぬ未知の世界と思いました。
by せつこ (2005-12-29 10:28)
はじめまして。すごく面白い話ですね。知りませんでした。
27年間というと・・私の細胞もまだ母親の中で生きていることになります。それまでは親に死なれちゃ困る、ということなのでしょうか?
by えみる (2005-12-29 17:04)
函館に帰っております。子供達は受験なので私1人です。
弟の家族も横浜からもどってますので、賑やかです。
mamireさん、
> これって、「逆流現象の成果だわ~っ」て、納得しちゃいました。
本当にそうかもしれないと思います。すごい話ですよね。
エレクトーンって昔やったことがあります。足も使うのがすごいみたいな。
kijimu-naさん、
> こういう科学の話は大好きです。とても興味深いですねぇ。
そうなんですか?がんばってしまおう。
日経サイエンスの今月号は特に面白いので3回くらいかいてしまおう。
92san、
> 生物って不思議で神秘的ですね。
それを理解していく人間もすごいと思いますが、奥深いです。
yokuさん、
> 生命などの神秘などには、興味があります。
> これからも、こういった話題も取り上げてく下さい。
ちょっとマニアな話題かと思いながらも、書いちゃいます。
私が「中世ってすごい」と思うように「神経生物学ってすごい」くらいにしたいものだと思います。足りないところは、誰かがその内、補ってくれるでしょう。
せつこさん、
> 私は、衝撃を受けました。
そうでしょう。日経サイエンスはあっさり書いてますけど、すごい話です。
えみるさん、はじめまして!
> 27年間というと・・私の細胞もまだ母親の中で生きていることに~
そうなんですね。
私の細胞は死んでいるというか、母がすでに亡くなりましたが・・・。
このあと、研究が進んだら、とんでもないことがわかりそうですね。
So-netでもお子さんが亡くなられた方のブログを見かけました。
もし自分の中に子供の遺伝子があればと思えば、再生を試みる人もでるでしょうね。科学のすごい点ではありますが、少し怖い展開でもあります。見守る?異論を唱える?影響力はないながら、迷うところです。
すみません、いきなり重い感想で。まあ、前向きに見守ってみましょう。
by 春分 (2005-12-29 22:32)
面白かった^^ マウスの遺伝子をいじくって・・・・・あ、操作してか。
科学技術の進歩は、どこまで行っちゃうの?やっちゃうの?という感じ。
今後も期待してます。
by 風の又三郎 (2005-12-30 13:53)
母親が、子供のこと、おおよそなんでもわかってしまうというう事が、小学校の頃まではあったなあ~と思います。
「えええええええ、どうしてお母さんわかっちゃったの?」
「何でもお見通しよ~」
という母と子の会話。ありますよね?
原始細胞が、脳細胞へ、ふむふむ。
by (2005-12-31 02:27)
母が子供を守るだけでなく、
子供が母を守るなんて、すごい話ですね!?
子供がたくさんいると、たくさんの子供の細胞が守ってくれるって
ことですねぇ。
by たまご (2005-12-31 11:57)
とても面白いお話でした。
生命は本当に不思議ですね。
人間の知的好奇心、素晴らしいものですが、反面恐ろしい側面も持っていると思います。
by (2005-12-31 22:26)
HAZUMIさん、
母と子の不思議というのは予想以上にすごそうですね。
臍帯血移植というのも近年発達した技術ですが、会社の後輩が
この治療を受けて命を拾っております。人も自然もすごいです。
たまごさん、
>子供がたくさんいると、たくさんの子供の細胞が守ってくれるって
ことですねぇ。
そうなのではないでしょうか。
私の妻も子供を産んで体質が変わってと言ってました。
「毒を出したから」と説明してましたが、もっと前向きのことでしたか。
lapis さん、
> とても面白いお話でした。
lapisさんにそう言わしめれば本物ですね。
> 知的好奇心、素晴らしいものですが、反面恐ろしい側面も
まったくですね。報道されない部分が更に心配です。
by 春分 (2006-01-04 17:03)
子供の脳細胞が、母親の脳に入って27年間生きる・・・そうするとわたくしの中では、すでに死んでいますね。息子は大きくなってしまった(^^)
by (2006-01-04 21:25)
mimimomoさん、
「16歳の時のお子様として、するとmimimomoさんは・・・、」
一応、大人の答えとしては、こんなふうな対応ですよね。
by 春分 (2006-01-05 20:25)
こうゆう話題大好きですサイエンスは多分中学ぐらいからの愛読書ですけど。私は現在出血でリハビリ中の身ですが同病の若い奥さんにこの話をして実験してもらおうかと。リスクがあることですし、人の人生ですから、強制は出来ませんが本人が興味を持ってくれれば。
by ゆん (2007-01-14 10:59)
ゆんさん、
1年ちょっと前の過去記事にコメント頂けるとはうれしいです。
読んで頂けただけでもうれしい話ですが、なかなか過去記事だとコメントは頂けないから貴重です。
実験?どうでしょう。ご病気はいろいろご不安もあろうかと思います。
少し楽しくなれそうなネタを書くようにと思います。
by 春分 (2007-01-14 13:32)
実は当該サイエンスを読み返そうと探したのですが間違ってブックオフしたようです、残念。
by ゆん (2007-01-15 09:18)
でもね近代西欧思想の根幹であるキリスト教の教義からすれば万物の支配者である神に似せて作られた人間はあらゆる生物の中で特権的存在ですから聖書研究!の一環である科学の為にはあらゆる生物の犠牲が正当化し得るのです。ゾウリ虫とラット、チンパンジーの間に違いは無いのです。
by ここで、とんでもない動物虐待実験の報告と思われる方もいらっしゃるかも (2007-12-10 10:09)
↑名前忘れ「ゆん」
by ゆん (2007-12-10 10:13)
ゆんさん、
お久しぶりでございます。
キリスト教由来なのか、西欧文化なのか、砂漠の民の特性かわかりませんが、
自分の種だけが特別と考えるのは、生き物として一般的なことでしょう。
逆に他の動物と地続きの自分の種を想像するところが「特殊な種」なのかなと。
でも、米国の科学者はかなりの高率で人格神(ヒトと同じような考え方をする神様)を信じているそうですね。「将軍様は偉大だ」と言わなければならない国のように「神を信じている」と言わないといけないのかとかんぐるのですが、割と心の底からそう思っているそうですね。
やはり、私は異教徒です(宗教家ではないですが)。
by 春分 (2007-12-10 11:56)
え~、これは初耳です。実は子どもを産んでから、かなりお姑さんに似てきて・・・サバサバと割り切れるようになったので、これは育ての効用だけではない!と感じていたんです。実証以上に実感しちゃってます。
私なりに意味を持たせるとすると、「子どもを理解して子育てをする」
・・・その必要性が産んだ仕組みなのかも、とも思いました。
2007/12のコメントは「日本教」に通じるようです。
土地さえあればいいから、どんな権力にも神にもまつろわない?!
横の宗教と、確固とした絶対善のある縦の宗教の相違でしょうか。
良い刺激をありがとうございます。
by あゆこ (2012-06-24 21:02)