おじさん達のコンサートを聴きに行く [雑感]
御苑の写真を並べながら、おじさん合唱団のコンサートのことを書いてみます。
会社の先輩に誘われ、某東北の有名大学のOBらによる男声合唱団の公演を
東京オペラシティのコンサートホールに聴きに出かけました。
おじさん達の合唱団は50人ばかりで、半分くらいは奥さん達でしょうかおばさま
らも参加し、100人くらいで、毎年ここでコンサートをしているそうです。
指揮をするのは会社の先輩のI渕さんで、今の私の年の頃には転職して行かれ、
次の仕事の方でもたいへんな活躍をされていた方ですが(ビル・ゲイツに会って
説明をしたらしいから、相当なものでしょう)、趣味の方も相当名の通った方で、
この方の下に、奥様方も含めた100人程の歌い手とホールにいっぱいになる
(2500人入るらしい)ほどの観客が集まりました。
そのI先輩のことを深く尊敬するまだ会社にいる別の先輩Kさんが誘ってくれ、
もう1名と一緒に男三人でいそいそと出かけた行った次第です。
ただ「せっかくなので新宿御苑の花でも見てから行きます」とメールしたところ
「それはいいですね、ご一緒します」と言うので、まあ予想外に午前は新宿御苑、
午後はオペラシティ、昼も夜も一緒のご飯というなかなか濃いおじさん「男子会」
となりました。
さて、コンサートの方はと言えば、
合唱にそんなに馴染みのない私としては、後学のためにそんな世界も覗こうかと
いうくらいでしたのに、それなりに感動して、泣きそうになって帰って来ました。
音楽趣味の人は良くご存知かと思いますが、東京オペラシティーのホールは、
2階席がステージを囲むように席があり、ステージのサイドも後ろからも見る
ことができます。勿論、歌を聴くならばステージと向かい合った方がいいのかと
思いますが、開場後に到着した私達は3つ並びの席が残っていたステージ横の
2階席に座りました。指揮者の顔も良く見える様子でそれはなかなか悪いもの
ではなかったです。
もっとも、開演時間となり、現れた殆どが定年後と思われる合唱団の方々は、
ヘアスタイル的にも人生の先輩たちという意味でも見下ろすのは何だか申し訳
ない次第でした。
歌は、半分くらいがおじさん達だけ、後の半分は奥様達でしょう女性達も入り
100名あまりの大合唱が聴けました。それとこの催しに共感し協力して下さ
っているというピアニストの小原孝さんが伴奏だけでなくソロの曲も挟んで下
さるという趣向でした。
合唱門外漢の私達としては、現代音楽っぽいのやら宗教音楽っぽいのは眠らず
聴くことがまずは第一の旨としておりましたが、おかげさまでそれらも面白く
聴けました。
そして、毎年聴かれているK又さんが言われるには「知ってる曲が盛り上がる」
とのことで、後半のポピュラーな曲に期待しましたが、期待に違わない内容で
とてもいいものが聴けたと大満足でした。
「夢」というテーマで並べられた後半の曲は、曲目からして雑多な印象もなく
もないのではと思っていました。しかし、間を繋ぐピアノの曲目も合わせて、
何だか言いたいことがわかる気がしました。
「夢の中へ」が歌われ、
これまで何度聴いたかわからないその曲の歌詞の
休むことも許されず 笑うことも止められて
はいつくばって はいつくばって
いったい何を探しているのか♪
というくだりは、奥様たちの澄んだ声で歌われても、なかなか重く響きました。
最初に聞いたときは私は十分に子供でしたが、それでも理屈としてそのような
シチュエーションが理解でき、なぜ歌に歌われるかおおよそ理解していたはず
ですが、本当にそれを知るにはやはり50年ほどの時間がかかるということな
のでしょう。あるいは本来もっと時間が必要なのか。
その前には冬の日に夏の夢を見る「少年時代」、
あるいは、間に流れたピアノは(ピアノの曲名はパンフレットになかったけど)
ぜんぶ曲名もわかる曲だったけども、特に「マイウェイ」
And more, much more than this, I did it my way♪
これは盛り上がらざるを得ない。
「オーバー・ザ・レインボウ」も「ハイペリオン」ファンとしては泣けます。
それと、やはり、
「夢破れて(I dreamed a dream)」は、これはずるいくらいでしょう。
泣かずに歌っている皆さんがえらいと思いました。
ステージ横の2階席の面白い点は、指揮者やピアニストの表情がどこよりも良く
見えることの他に、歌い手の楽譜も見えることだったかもしれません。
上は80歳くらいか、それでも背筋はぴんとして、誰もの楽譜に線が引かれて、
自分のパートを間違えないようにでしょうけども、それ以外もマークしている
様子(赤線と青線が書き込まれていたから)。そんなのもかっこいい。
ステージの向こう側には奥様たち。若い方も少し混じる。娘さんとかか。
息子ってものは父親の合唱団に混ざることはあまりしないでしょう。
ぼんやりと思っていたのですが、
先日も様子を見てきた実家のピアノの上に、父が飾ったであろう在りし日の母の
写真がありました。何を思ったか晩年コーラスグループに入ってたとかで、他の
おばさま達とおそろいのロングスカートのステージ衣装で写っています。
ふと、コンサート中にそのことを思い出していました。
予定された曲の最後は「未来へ」。
ほら 足元を見てごらん それがあなたの進む道 ♪
足元を見ると、ここは2階席だから、人生の先輩のおじさんたちが見えていました。
ほら 前を見てごらん それがあなたの未来 ♪
前には笑顔で指揮をするIさん。かっこいい。
こんな人たちに私の未来を重ねられるのであるなら、幸福なことに違いないです。
探し物はそんなものかもしれません。
でも、まだもう暫くは這いつくばって探さないとそこには行けない未来と思います。
おまけ:
案外、すぐ見られたな、
通りすぎる「はやぶさ」
流し撮りはできなかった。速くて。
音楽は、やはり生に限ります。
そして、当然ですが、合唱とは人の声。人の声が人を包む。
涙は理屈ではありませんね。
これほどの規模で開催出来るとなると、
相当の歴史ある合唱団なのですね。
これからもずっとずっと未来へつながって行くおじさまの歌声、
いいなぁ。いい時間だったんだろうなぁ。
by ゴーパ1号 (2011-03-09 23:24)
感動のおじさん合唱だったようですね。
私が学生の頃、このおじさんたちの後輩の皆さん(たぶん)、ビアガーデンでいきなり「セブン、セブン、セブン~、もーろぼしだんのー」って、うまかったなぁ。
「夢の中へ」の本家本元、今月下旬仙台へ来るので、聴きに行く予定です。
by キタノオドリコ (2011-03-10 06:58)
井上陽水の曲大好きです。
でも「未来へ」も名曲ですよね。聞きたくなりました。。
by かっか (2011-03-10 07:04)
クラッシックは、たまーーーーーーに聴きに行きますが
合唱は、子供の頃の合唱コンクールで聴いた程度です^^;
by くまら (2011-03-10 08:38)
何年か前に友人が参加している、おじさん合唱隊のコンサートに行ったことを思い出しました。
by めもてる (2011-03-10 10:53)
三椏と言うのですね。ありがとうございました。
「自分で調べなさい」って言われるかと、ちょっとビクビクしていました。
現実を堅実に生きていこうと、未来はその積み重ねでしょうから・・・
by psvt.abl (2011-03-10 12:55)
う~ん、記事に泣きそうになりました。
小原先生は同じ大学出身で、わたしもレッスンをして
頂いた事がありますが、気さくな紳士ですね。
心温まる合唱を私も一緒に聴いた気持ちになりました。
お母様にも届いていたらいいですね。
by chichiの母 (2011-03-10 13:54)
最近合唱は、地域のママさんコーラスしか聞いたことがありません。
それでもかなり心に響いてきます。
設備の整ったコンサート会場で聞かれた男声合唱団の歌声には
きっと感動したと思います。
by きまじめさん (2011-03-11 00:51)
充実した一日でしたね。おしどりもGETしたようで、、、ナイスです。
by ハギマシコ (2011-03-11 01:43)
始めに、この合唱団の皆さんの多くが仙台やいわき辺りの人であったこと
を思うと、あの日会っただけの皆さんだけど、やはり心配。
ゴーパ1号さん、
> 音楽は、やはり生に限ります。
> そして、当然ですが、合唱とは人の声。人の声が人を包む。
> 涙は理屈ではありませんね。
本当ですねー。坂東市のやつとかも行かないといけないかなー。
> 相当の歴史ある合唱団なのですね。
歴史のある大学ですしね。
キタノオドリコさん、
> 私が学生の頃、このおじさんたちの後輩の皆さん(たぶん)、ビアガーデンで
> いきなり「セブン、セブン、セブン~、もーろぼしだんのー」って、うまかったなぁ。
その歌声が聞こえてくるかのようです。
さて、大丈夫かな。家族やお友達も含めて、心配なことです。
かっかさん、
> 井上陽水の曲大好きです。
> でも「未来へ」も名曲ですよね。聞きたくなりました。。
どの世代も思っているのかもしれませんが、私も「良い歌のある良い時代に生きた」と
思うことがあります。時代の歌がやはり心に響くと思います。
くまらさん、
> 合唱は、子供の頃の合唱コンクールで聴いた程度です^^;
私としても高校の合唱祭くらいまで遡らないといけないのですが。
めもてるさん、
> 何年か前に友人が参加している、おじさん合唱隊のコンサートに行ったことを
> 思い出しました。
歌えるようになったら聴いてもらいたいですよね。友達なら聴いてあげるべきですよね。
「難しい歌はやめてくれよ」と言う権利は友達ならあると思いますが。
psvt.ablさん、
> 三椏と言うのですね。ありがとうございました。
紙の原料ですよね。こんなきれいな花なのだとちょっと感心するでしょう。
> 現実を堅実に生きていこうと、未来はその積み重ねでしょうから・・・
ですよね。今日にベストを尽くす。今日に偽りを持たない。
chichiの母さん、
> う~ん、記事に泣きそうになりました。
またまたうれしいコメントを。
> 小原先生は同じ大学出身で、わたしもレッスンをして
> 頂いた事がありますが、気さくな紳士ですね。
そうなんですね。弾き終わった後の笑顔がとてもよかったです。
> お母様にも届いていたらいいですね。
そうですね。
きまじめさん、
> 最近合唱は、地域のママさんコーラスしか聞いたことがありません。
> それでもかなり心に響いてきます。
楽しんでやってることは、伝わると思います。
> 設備の整ったコンサート会場で聞かれた男声合唱団の歌声には
> きっと感動したと思います。
ホールの様子だけでもまずは圧倒されました。
ハギマシコさん、
> 充実した一日でしたね。おしどりもGETしたようで、、、ナイスです。
上の池の木の下に隠れているものだと情報を得ていましたが、 肉眼では
わからないくらいでした。
撮れててよかったです。
by 春分 (2011-03-12 13:07)